練習で使ったデータは必ず保存するようにしましょう。
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インターネットを利用するにあたり、インターネットの簡単な仕組みについて説明します。これらは講義中だけでなく、今後学内でインターネットを利用して情報収集や電子メールの送受信を行う際に必要な知識となります。
複数のコンピュータがある場合に、コンピュータ同士を相互につなぎ合わせてデータのやりとりができるようにしたものが"ネットワーク"です。研究室や家庭など、限られたエリアのコンピュータでネットワークを構築したものを"LAN(Local Area Network)"と呼びます。 東京都立大学のキャンパス内でも、各研究室、あるいは各建物内にLANが構築されています。これら南大沢キャンパス内のすべてのLANをまとめたネットワーク(学内LAN)には、"TMUNER"という名称がつけられています。
このような、範囲が限られているネットワーク(LAN)同士をつなぎ合わせ、広域にしたネットワークがインターネットです。インターネットの領域は世界に広がっているため、日本に限らない範囲で情報交換が行えます。情報交換の具体的な手段としては、WWW(World Wide Web)や電子メールなどがあげられます。
このように、インターネットに代表されるコンピュータネットワークは階層化されています。最小の単位としてはネットワークに接続された1台のパソコン(PC)、その次は教室のネットワーク、そして南大沢キャンパス内のネットワーク(TMUNER)、といったように徐々に範囲が広がっていきます。さらに、大学の外はプロバイダによってインターネットに接続されているのです。
インターネットのはじまりといえるコンピュータのネットワークは、1960年代後半のアメリカで始まりました。当初は軍事関係の機関を中心に研究開発が進みましたが、しばらくして軍事関係のネットワークは分かれ、その後、徐々に世界各国の大学のコンピュータやネットワークが相互接続されていきました。この研究開発の途中でネットワークの規約が統一されはじめ、メーカーやオペレーティングシステム(OS)、ソフトウェアが異なっていてもインターネットに接続できるようになりました。そして1991年、素粒子物理学研究所(CERN)の研究員ティム・バーナーズ=リーによって"World Wide Web プロジェクト"が発表されました。その結果、大学などのコンピュータや大型コンピュータだけでなく、家庭用のパソコンまで多くのコンピュータがインターネットに接続され、現在のように無数のコンピュータが結ばれたインターネットが形成されました。
インターネットには国境がなく、世界中のどこにいても同じ情報を手に入れることができます。しかし、インターネットを利用するためには通信回線などのインフラが整備されていなければなりません。世界的にみても、インターネットへの常時接続環境が整っているのは先進国の都市部が中心で、地方や離島では普及が遅れています。このため、情報を手に入れやすい人と手に入れにくい人との間の格差、"デジタル・デバイド(情報格差)"などの新たな問題も生じています。
1957年 | アメリカ国防総省の傘下にAdvanced Research Projects Agency (ARPA)が新設されました。 このARPAは、後にインターネットの前身となるARPANETを作りました。 |
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1961年 | アメリカの電話中継基地が爆破され、国防総省の回線が一時中断した事で、指揮統制系統の重要性が問われるようになり、 国防総省の下でも通信システムの研究が本格的に始まりました。 |
1965年 | ARPAの最初の広域ネットワーク実験を実施。 マサチューセッツ工科大学とカリフォルニアにある会社のコンピュータをソフトウェアで自動接続する事が出来ました。 |
1969年 | ARPANET開始、接続も次々と成功。 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校),UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校),スタンフォード研究所,ユタ大学の順に接続点が増えていきます。 |
1972年 | 電子メールの基本ソフトウェア誕生。 |
1974年 | 公衆パケット交換網サービス開始。 |
1976年 | ダイヤルアップ接続の開発。 一般の電話回線からメールやファイルを間欠的に送受信できるようになりました。 |
1989年 | World Wide Web(WWW)とHTML、HTTPの誕生。 |
1995年 | Windows95、Internet Explorerの登場。 これによって、一般の人達がより簡単にインターネットを見ることが出来るようになり、 インターネット人口が爆発的に増えるきっかけとなりました。 |
インターネットにはさまざまなメーカーのコンピュータが接続されていて、オペレーティングシステム(OS)も、使われているソフトもばらばらです。この環境の違いを気にせずインターネットを使うことができるのは、"共通の情報通信規約"が決められているからです。この規約のことを"プロトコル(Protocol)"と呼びます。プロトコルにはさまざまな種類がありますが、インターネットで主に利用されているプロトコルは"TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)"と総称されています。
TCP/IPのうち代表的なプロトコルについて、機能を紹介します。
インターネットには無数のコンピュータが接続されています。そのため、コンピュータを指定するために住所が使われています。
インターネット上の住所にあたるものは"IPアドレス"(Internet Protocol Address)と呼ばれます。これは0~255の数字を4つ組み合わせたもので、それぞれは"."(ピリオド)で区切られています。
133.86.26.1
"133.86."という番号は東京都立大学南大沢キャンパスをさします。その次の2組の数字は東京都立大学の場合、教室や建物のネットワーク、ネットワーク内のコンピュータの番号というつけ方になっています。 "26"であれば1号館3階の320教室、そして"1"というのは320教室の1番目の端末です。 このIPアドレス(IPv4)は、256の4乗分、つまり約43億個のアドレスを設定することができるためインターネット上で重複することがありません。そのため、世界のどこからでもこの133.86.26.1というIPアドレスは常に"都立大南大沢1号館320教室の1番機"のことをさしています。
しかし、このIPアドレス(IPv4)は、約43億個のIPアドレスを設定できますが、近年のインターネット人口の増加によってIPv4では足りなくなってきました。 そこで最近では、今までのIPv4(Internet Protocol version 4)に代わる新たな規格としてIPv6(Internet Protocol version 6)が提案されています。このIPv6というIPアドレスは、以下のように0~65535までの数字を16進数で表した上で、8つ組み合わせ、":"(コロン)で区切られて表記されます。
123:4567:89ab:cdef:123:4567:89ab:cdef
このIPv6では、340澗(かん)個(約43億の4乗個)と無限に近い数のアドレスを設定することができるため、これからのインターネットの広がりに対しても十分に対応することが可能です。
IPアドレスは番号なので、そのアドレスがどこのどういうコンピュータを示しているのか分かりません。そこで、通常はコンピュータにつけた名前を使った表記を使います。こちらの住所表記を、"ドメインネーム"と呼びます。
www.tmu.ac.jp
ドメインネームは階層に分けることができます。末尾から順に見ていくと、日本(jp)の学術団体(ac)である東京都立大学(tmu)にあるWebサーバ(www)という意味になっています。この階層わけの見方がわかると、ドメインネームを見るだけでどこの国のどのような組織にあるコンピュータの情報なのかすぐわかるようになります。
東京都立大学にあるすべてのコンピュータには名前がつけられ、すべて固有のIPアドレス・ドメインネームがつけられています。公開されているサーバ(コンピュータ)に関しては、これらのIPアドレスやドメインネームを指定することで決められたプロトコルで情報をやり取りすることができます。
Webブラウザでウェブサイトを見るときには、自分が見たいページのアドレスをアドレスバーに入力します。このアドレスは、"URL(Uniform Resource Locator)"の形式であらわされています。例えば東京都立大学のウェブサイトを見る場合、入力するアドレスは "https://www.tmu.ac.jp/" となります。今まで説明してきたことを踏まえて考えると、これは「日本(jp)の学術団体(ac)である東京都立大学(tmu)にあるWebサーバ(www)にいって、WWWのプロトコル(http)で情報を見る」という意味になっているわけです。
また、URLは場所によって表記が異なる場合があります。
Yahoo!の場合はもっともシンプルで、「日本(jp)の商用組織(co)であるYahoo!(yahoo)にあるWebサーバ(www)」というドメインネームがそのままURLになっています。 2番目の教務課の場合は、ドメインネームで指定した「日本(jp)の学術団体(ac)である東京都立大学(tmu)の中の大学教育センター(kisokyo)にあるWebサーバ(www)」というドメインネームに加え、「そのサーバの中の"kyomu"というディレクトリ(フォルダ)の中にある情報」というURLとなっています。 また、3番目のお知らせについては「日本(jp)の学術団体(ac)である東京都立大学(tmu)にあるWebサーバ(www)」というドメインネームに加えて、「そのサーバの中の"for_students.html"というファイル」という具体的なファイルまで指定したURLになっています。
ドメイン名の一番右側に表記される文字を「トップレベルドメイン」と呼びます。東京都立大学のウェブサイト(http://www.tmu.ac.jp/)では「jp」にあたります。
このトップレベルドメインは大まかに以下の2つに分けられます。
分野別トップレベルドメインの例 | |
---|---|
com | 商業用 |
edu | 教育機関用 |
gov | 米国政府機関用 |
net | ネットワーク用 |
国コードトップレベルドメインの例 | |
---|---|
jp | 日本 |
uk | イギリス |
to | トンガ |
tv | ツバル |
トップレベルドメインはどんどん新しいものが増え、分類なども変化しています。興味があれば、インターネットなどを活用して調べてみましょう。
では、実際にTCP/IPやコンピュータネットワークについてネットワークツールを使って調べてみましょう。
情報処理教室では、コンピュータの不正な使用を防止するために、機能に一定の制限を設けてあります。したがって、以下で扱うツールの一部に関しては、情報処理教室では使えないものもあります。
これについては、本節末にリンクを設けましたので、外部のWeb上のサービスなどを参考にしてください。
ipconfigは、IPアドレスなどネットワークインターフェイスについてのチェックや設定に用いられるネットワークツールです。 まず、[スタートメニュー] - [すべてのプログラム] - [アクセサリ] - [コマンド プロンプト]を開きます。
次に、以下のように入力し、エンターキーを押します。すると、今使っているコンピュータのIPアドレスなどが表示されます。
ipconfig
次にnslookup
を使ってみます。 nslookupは、インターネットのネームサービスであるDNS(Domain Name System)へ名前の問い合わせに用いられるネットワークツールです (DNSは、コンピュータのホスト名をIPアドレスと関連づけているシステムです)。
以下のように入力し、エンターキーを押してください。 この時、半角スペースを忘れないよう注意してください。
nslookup www.tmu.ac.jp
ここで表示されているのはwww.tmu.ac.jp、つまり東京都立大学のWebサイトのIPアドレスです。複数のIPアドレスがあるのは、本学ウェブサイトへの集中したアクセスがあった際の対応として、各サーバに負荷を分散しているからです。
nslookupでは、逆にIPアドレスからドメインネームを得ることもできます。
コマンドプロンプトにnslookup
と入力し、続けて先ほど分かった東京都立大学のWebサイトのIPアドレスを入力してください。 その後、エンターキーを押してください。
nslookup 49.212.138.160
1990年代後半からWWWは爆発的な勢いで拡大していき、WWW上にある情報量も膨大な量となっていきました。 その大量にある情報の中から必要な情報を抽出するために、注目されたのが「情報検索」の技術でした。
ここからはその情報検索について学び、実際にブラウザを利用しながら必要な情報を手に入れるためのスキルを身につけていきましょう。
情報処理教室のパソコンでは、Webを閲覧するソフト(Webブラウザ)として"Microsoft Edge"が用意されています。
Edge を起動したときに最初に表示されるページ(ホーム)は、TMUNER(http://www.comp.tmu.ac.jp/tmuner/)になっています。このウェブサイトには、本学のパソコンの利用方法や、インターネットを利用する際に重要な情報が掲載されています。更新されたら必ず目を通すようにしましょう。
ブラウザには、よく訪れるウェブサイトをお気に入りとして登録しておく機能がついています。Edge ではハブの"お気に入り"で操作することができます。他のブラウザでは名称が違うこともありますが、同様の機能があります。 また、インターネットの情報は日々更新されているため、今見ているページが将来削除されたり、あるいは改変される可能性があります。ページを自分のパソコンに保存することでいつでも保存した時の情報を見ることができます。
先ほど説明したとおり、Webブラウザでは自分が見たいページのアドレスを直接ブラウザ上部のアドレスバーに入力します。
Webではさまざまな人が情報を発信しているため、その情報量はとても膨大です。知りたい情報がある場所(URLなどで示されるアドレス)がわかっている場合はすぐにたどり着くことができますが、多くの場合は検索機能を使って求める情報を探すことが必要となります。検索はみなさんがインターネットを使う上で日常的に行っていると思いますが、より効率のよい検索ができるよう簡単に説明していきます。
検索機能を提供しているシステムのことを、検索エンジン(サーチエンジン)と呼びます。
検索を行うにあたって、様々な検索で使える共通のテクニックというものが少なからず存在します。 演算子等を利用した方法や検索するためのキーワードの取り方などがこれに当たります。ここからはそういった検索テクニックを見ていきましょう。
演算子等(半角大文字)には次のようなものがあり、検索ボックスにそのまま入力して使います。
演算子等 | 意味 | 例 | 説明 |
---|---|---|---|
AND | 両方を含む | 情報 リテラシー (複数の単語を半角スペースで区切る) |
「情報」と「リテラシー」の両方を含む |
OR | いずれかを含む | 情報 OR リテラシー |
「情報」もしくは「リテラシー」のいずれかを含む |
NOT | 含まない | -情報 (単語の前に半角ハイフンをつける) |
「情報」を含まない |
"" | 完全に一致 | "情報リテラシー" |
「情報リテラシー」に完全に一致する文字列を含む |
また、ロボット型の検索エンジンの代表であるgoogleには応用的な機能がついています。単位換算や乗換案内など、特定のウェブページを調べる以外の用途にも利用することができます。また、WEB上の検索エンジンでは、簡単な計算を実行したり、英語名から日本語名を調べたりすることもできます。
この実習は以下のスライドに沿って進めます。
学術情報とは、
“学術研究の成果として生み出された情報およびそれがさらに編集、圧縮、加工されて生成された情報。観測、測定、計算データや記録、学術文献(学術論文、報告書、学術図書や書誌、索引誌、抄録誌など)、それに個人的なコミュニケーションが含まれる。(以下略)” 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会『図書館情報学用語辞典第4版』丸善出版, 2013. p.32
つまり、「研究活動の中で生み出される情報」が学術情報だといえるでしょう。
イメージしやすいものとしては、論文、図書、データ、などが挙げられます。 これらの学術情報の中から、今回は"図書"について取り上げ、検索の仕方を具体的に学んでいきます。
東京都立大学図書館のウェブサイトからは、本学に収蔵されている図書を中心に、レポート作成や研究に有用な資料の場所を検索することができます。蔵書を検索するためには、図書館のトップページから[蔵書検索]を利用します。
実際に、東京都立大学図書館で検索をしてみましょう。今回は、以下の図書を検索してみます。
千野信浩『図書館を使い倒す! : ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」』 (新潮新書 ; 140) 新潮社, 2005
まず、東京都立大学図書館のページを開いてください。
① 画面中央付近の水色の蔵書検索ボックスをクリックします。この時に、[詳細検索]を選択するとより詳細な設定で、[横断検索]を選択すると一部学外のデータベースからも検索することができます。
② 調べたい本の情報を入力します。今回は少し曖昧なキーワードで検索してみます。「図書館 コツ」と入力して検索してみましょう。
③ 結果が表示されました。キーワードに当てはまる図書が複数あることがわかります。このうち探していた『図書館を使い倒す! : ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」』の図書名をクリックします。
④ すると、『図書館を使い倒す! : ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」』は本館(南大沢)の 2 階一般書架や日野館の小型本コーナー、荒川館の新書コーナーに貸し出し用のものがあるようだとわかりました。
探している本が本学にない場合には、他のどこの図書館にあるのかを調べることができます。大規模な検索サービスとしては、全国の大学図書館の所蔵から検索できる"CiNii Books"や、国立国会図書館の所蔵から検索できる"NDL-OPAC"などが代表的です。
このほか、著作権の切れた小説や古文書的な図書などを検索・閲覧できるサービスもあります。
東京都立大学図書館では、学内で利用可能な電子リソース(本・雑誌、論文・記事、辞書・辞典、新聞記事などの文献検索データベース)を「学術情報をオンラインで利用しよう」にまとめ、提供しています。 冊子版は、図書館本館と学部学科図書室にて受け取ることができます。 PDF版の閲覧については、学内者限定公開の資料となっています。以下のウェブサイトをご参照いただき、注意事項を確認した上で、kibacoの図書館講習会コースからアクセスしてください。
また、図書館本館の利用については、PDF版の「本館利用のしおり」が公開されています。
インターネットを活用して、以下の設問について情報を集め、自分の言葉でまとめてください。また、検索に用いたサイトや情報を引用したページについても説明をつけてください。
第1講で行ったタイピング練習について、担当教員の指示に従い、終わらなかった問題を入力してみましょう。
各例文ごとに別のファイルに保存しましょう。 なお例文だけ打ち込んであとでプリントすると、どのプリントが誰のであるかわからなくなります。またファイルを提出する場合もファイル名だけでは認証が面倒となります。例文に先立ち自分の学修番号と名前および自分だけ判るメッセージを入れてください。