本講の目的
  • Microsoft Excelを用いた表計算ソフト利用の基本の習得
本講に関する学習動画

本講の授業内容に関する【説明動画】が1つあります。こちらの動画に加えて、本講で作成するファイルを完成させるために必要なExcelの機能について詳細に説明している【操作動画】もあります。操作動画は、その機能について説明している箇所で視聴できます。

注意:大人数が一斉に動画を再生すると動画が再生されないことがあります。時間をずらして視聴してください。

Microsoft Excelの起動

  1. [スタート] (Windowsマーク)をクリックします
  2. [Excel]をクリックします

ブックの作成と保存

ブックの作成

新規作成

  1. ファイル タブ をクリックします
  2. 新規作成 - 新しいブック をクリックします

既存ブックのオープン(改訂、再編集)

  1. ファイル タブ をクリックします
  2. 開く - 参照 - 目的のブックのあるフォルダに移動します
  3. 目的のファイルのアイコン Excel ブック形式ファイル をダブルクリック、または選択して開きます

あるいは、目的の文書のあるフォルダに移動し、そのアイコンをダブルクリックします。

ブックの保存

全てのアプリケーションに共通することですが、様々なトラブルにより制作途中のデータが失われてしまうことがあります。それを防ぐためにも、こまめに保存するように心がけましょう。

初めてブックを保存する

  1. ファイルタブ をクリックします
  2. 名前を付けて保存 - 参照 の順にクリックします
  3. 必要な保存形式を選択 - 保存したいフォルダに移動します
  4. ファイル名を入力し [Enter] キーを押します。もしくは [保存] をクリックします

保存形式は [名前を付けて保存] のウィンドウで [ファイルの種類] から選択することもできます。

名前を付けて保存
Excel ブック(.xlsx)
Excel 2007 以降で利用できる標準形式で保存します。
Excel マクロ有効ブック
Excelで使えるマクロを有効にしたブックです。xlsm形式で保存されます。
Excel バイナリ ブック
ブックの読み込み、保存をすばやく行えるように最適化した形式で保存します。
Excel 97-2003 ブック(.xls)
Microsoft Excel 97 から Excel 2003 までで標準利用されていた形式で保存します。
OpenDocument スプレッドシート(.ods)
Microsoft Office 以外のオフィス製品でも利用できる、オフィススイートの共通形式で保存します。
PDF(.pdf)
PDF形式で保存します。Excel がインストールされていない環境でも、PDF に対応するソフトウェアがあれば開くことができます。

既存のブックの変更を保存する

  1. ファイルタブ をクリックします
  2. 上書き保存 をクリックします

あるいは、クイックアクセスツールバーの 保存 をクリックします。

Excel の終了

  1. ファイルタブ をクリックします
  2. [閉じる] をクリックします

Microsoft Excel 2019の概要

このアプリケーションで何ができるか?

ウィンドウ構成

画面構成

クイックアクセスツールバー

よく使うコマンドを表示しておくことができます。

クイックアクセスツールバー

初期設定で表示されているアイコンとその機能は以下の通りです。

を押すと、表示するアイコンのカスタマイズができます。

リボン

ブックを作成していく際によく利用するコマンドを割り当てたボタンが機能ごとにパネルに分類され、配置されています。

リボン上部のタブ状になった[ホーム]、[挿入]、[ページレイアウト]、[数式]、[データ]、[校閲]、[表示]をクリックすることによって、各機能のパネルに切り替えることができます。もしくは、カーソルがリボン上にあるときにホイールを回すと、切り替えることができます。

ホーム

主に文字やセルの装飾、切り貼り、編集などの基本的なコマンドが収納されています。

リボン ホーム

挿入

表や図、グラフ、ヘッダーとフッターなどを挿入します。

リボン 挿入

ページレイアウト

ページのレイアウト、見やすさを設定します。

リボン ページ レイアウト

数式

セルにSUMやAVERAGEなどの関数を挿入したり、ワークシートの分析を行うことができます。

リボン 数式

データ

データの形式を変換したり、並び替えやフィルタを適用したりと、データを扱う事が出来ます。

リボン データ

校閲

スペルチェックや文字カウント、コメントの挿入などできあがった文書を校正したり、また、訂正した部分の比較などを行うことができます。

リボン 校閲

表示

Excelの画面での表示の仕方を設定します。

リボン 表示

パネルの右下にある を押すと、より詳しく各項目を設定することができます。

フォント
フォント

また、カーソルを使用したいコマンドの上で静止させると、そのコマンドの説明を見ることができます。

表作成の基本知識

表の行と列

表計算ソフトとは、表の行、列を使って情報を整理していくものです。 縦、横に連なるデータをまとめ上げ計算し、新たな情報を生み出そうとするものです。 そのために表計算の単位であるセルを理解し、セルの所属する行、列の概念を理解しなければなりません。

Wordのようなワープロソフトとは違い、縦横細かく仕切られた空(から)の表が新規書類として表れます。この1枚を ワークシート と呼びます。 一番左には ラベルの数字、一番上には ラベルのアルファベットが書かれています。 各四角を セル と呼びます。現在操作の対象となるセルを 現行(アクティブ)セル といいます。 あるセルをアクティブにするにはそのセルをクリックします。 アクティブセルは太線でセルが囲まれていると同時にその セル名(アドレス) が一番左上の 名前ボックス に [列ラベル行ラベル] で表示されています。

複数のワークシートを1つのブックに作成できます。初期設定ではその数は1枚です。

ワークシート

ワークシートの数は増やしたり減らしたりできます。後で述べる数値処理では行、列の2項目のみでなく他のワークシートのデータとの計算も行えるので、3項目での計算が可能となります。

データの入力

アクティブセル

名前ボックスの右側の行が データ入力バー となります。 まず 取消ボタン キャンセル" と 入力ボタン 入力 の入った枠があり、その右に現在のアクティブセルの内容(データ)が表示されています。

データを入力するには

  1. 入力するセルを選択します。(そのセルをクリックします)
  2. データ入力バーのテキストボックスにデータを入力します。
  3. 入力の確定は [return]、[tab]、[Enter]、矢印キーを押します。または, 別のセルをクリックするか、をクリックします。
  4. 入力の取消はをクリックします。

セルに入力されるデータにはいくつかの形式があります。この形式の違いによって、Excel内での処理も変わるので注意しましょう。 データの形式を変えるには、"ホーム"リボン内の"数値"パネルを使います。下の画像にあるプルダウンメニューを使って形式を変更できます。

数値

通常、データの形式は"標準"であれば、自動的に適した形式で認識してくれます。特定の形式で入力したい場合は以下のように行います。

数値の入力

数値の形式

日付時刻入力

日付入力

文字データの入力

文字入力

数値と文字列の見分け方

Excelは、セルに入力した際に、それが数値なのか文字列なのかを自動で判断します。 実際の表示は、先ほどまでの説明で使われている画像を参照して下さい。

データカーソル

表内をセルからセルへ移動したりデータの入力を素早く、煩わしくなくさせるための手段があります。

キー操作内容
アルファベット側の [Enter]1つ下のセルへ移動
[Tab]1つ右のセルへ移動
矢印キー [→] [↓] [↑] [←]指定された矢印の方向へ1つセル移動

複数セルの選択、編集

以下のことを実際に行ってください。

人口統計表の作成

人口統計表を作成してみましょう。 最終的に以下の表となるものを作っていきます。元となるデータは総務省統計局から引用しました。

完成形

データの入力

まず以下のようにデータを入力して後に形式、足りない数値を整えましょう。 数字のみのところは半角で、またデータがセル幅を越えてしまうのも気にしなくて大丈夫です。(あとで修正します)

データ入力のみ

セルの調整

まずは、セル幅(高)の調節を行います。

① 幅を変えたい列の列番号をクリックします。

② ポインタをその列番号の右端におき、ドラッグして幅を調節します。

セルの幅の調整

③ 複数行同時も可能です。[shift]キーを押して複数列をクリックして、どの列でもいいのでドラッグして幅を調節します。

複数セルの幅の調整

④ 高さも同様に行います。

セルの高さの調整

今は列A、B、C、Dを選択後右クリックし、「列の幅」を10程度に拡げておきましょう。

次は、セルの結合と文字配置の変更を行います。 セル "B1" から "D1" 、"B2" から "D2" までをそれぞれを結合させて一つのセルとします。

① まず "B1" から "D1" をアクティブセルとして選択します。

② 次に[ホーム]リボン - [配置]パネル内の[セルを結合して中央揃え]をクリックします。

中央揃え(ポップヒント:中央揃え)

③ また、[ホーム]リボン - [配置]パネル内の右下にある から詳細に設定することもできます。

書式の詳細設定による配置(ポップヒント:書式設定)

④ 今回は、"縦位置"と"横位置"を中央揃えにし、"セルを結合する"チェックボックスにチェックをします。

文字の配置調整

"B2" から "D2" も同様にセルを結合します。同様にして、縦方向にセルも結合できます。"A2" から "A3" を結合させましょう。

ここまでで以下のようになっているはずです。

書式調整の完成

数式処理

数式処理はセルの先頭が(半角の)= で始まります。これをセルに直接入力、もしくは数式バーから入力します。

数式入力例

Excelで用いる主な算術演算子は以下のようなものがあります。

演算の優先順位は、基本的には通常通りですが、括弧 () を用いることもできます。また、これ以外にも多くの関数による演算が可能です。

オートフィルによる自動繰り返し計算

各年齢階級での男女計の計算を行ってみましょう。

たとえば "B4" は =C4+D4 となるので、"B4" をアクティブセルにして =C4+D4半角で入力します。データの先頭が半角で = の場合、自動的に数式処理モードになります。

オートフィル1

同種の計算を B5 から B13 までしてみましょう。そのため B4 のアクティブセル右下の黒い小さな四角(フィルハンドル)をマウスでポイントします。左ボタンを押した状態でセル囲みの四角を下に B13 までドラッグします。

オートフィル2

このようにして、入力を省略することができます。この機能がオートフィルです。

総和計算

続いて男、女の総計(Sum)を "C13"、"D13" に計算していれます。"C13"を選択し、以下に示すような[オート SUM]ボタンをクリックします。

オートSUM(ポップヒント:オートSUM)

総和が "C13" に自動的にはいります。女のデータも同様に行いましょう。これで男女の総計も計算されます。

オートSUMの結果

保存と終了

マイドキュメントに、ファイル名を rensyu として保存しましょう。Excelは拡張子 .xlsx を自動的に補ってくれます。

課題 1

人口統計表を仕上げてください。

  1. "E3" にタイトル 男女差 と入力、"E4" から "E13" まで対応する年代の男女の人口の差を計算してデータを埋めてください
  2. "F3" を 男女比 として各年代の 女性人口 ÷ 男性人口 を計算してください
    • 除算記号は / (スラッシュ) です
    • データの形式を変えるには、"ホーム"リボン内の"数値"パネルを使うと、パーセント表示にすることも出来ます

表を整える

同じようなものですが、多少変わった視点から表作りをしましょう。 四則演算や総和、オートフィルも再び練習します。 人口統計表の作成と重複する部分もありますが、何回も練習・確認することにより技術を磨きましょう。

以下の表を前回作った rensyu.xlsxSheet2 に入力しますが、その前にセルの表示形式を設定します。

整形前の表

セルの表示形式(通貨スタイル)

ここでデータ入力前にセル "B3" から "E12" までの書式を通貨としましょう。操作は以下の通りです。

  1. "B3" から "E12" までをドラッグし、選択します
  2. [ホーム]リボン内の[数値]パネルの 標準通貨 に変更します

この書式を設定した後に、上の画像のデータを入力します。 ただし、\1,000 と入力せずに、単に 1000 と入力してください。 先ほどの設定によって、[表示形式]が 通貨 になっているため、Excelが自動的に通貨記号とカンマを補います。

入力が終わったら、集計計算を行います。簡単な整頓を行って、表を完成させましょう。

  1. "A6" に 用紙分支出 と入力します
  2. 4月の用紙消費金額を数式処理で求めて、"B6" に入れます
  3. 4月の支出総額を数式処理で求めて、"B12" に入れます
  4. 5月の用紙消費金額と支出総額をそれぞれ "C6" 、 "C12" にオートフィルで求めて、入れます
  5. "D1" に 6月 と入力します
  6. 6月の用紙消費金額と支出総額をそれぞれ "D6" 、 "D12" にオートフィルで求めて、入れます(各備品の支出額はまだ空欄のままでよい)
  7. "E3" から "E10" まで、及び "E12" を各項目の4月から6月の総和として処理します
  8. 6月の各項目に適当な数字を入力し、その総和と数式処理のセルがその入力値に従って変化することを確認してください

表の表示の工夫

表の表示を工夫して、Excelで作った表を表計算のためのものだけでなく、レポート用、プレゼン用に利用することもできます。

行や列のサイズの変更

前述のセルの調整でも行えますが、ここでは別の方法を紹介します。

① サイズ変更すべき行あるいは列全体を選択(行頭、列頭ラベルをクリックします)します。

② "ホーム"リボン内の"セル"パネルの[書式] - [行の高さ]もしくは[書式] - [列の幅]を選択します。

列の幅の設定

③ ダイアログに現在の値が表示されます。調整したい値を入力します。

④ "ホーム"リボン内の"配置"パネルで文字の配置を設定します。

配置パネル
文字配置の例

罫線の挿入

行、列の点線を実(点)線で囲みます。

① [ホーム]リボン内の[フォント]パネル内の右下にある をクリックします。

フォント設定(ポップヒント:フォント)

② 表示されたウィンドウの上部にある[罫線]タブをクリックします。ここで詳細な設定が可能です。

書式設定による罫線設定

③ [ホーム]リボン内の[フォント]パネルでもある程度設定可能です。

フォントパネルによる簡易的な罫線設定

フォントの変更

① [ホーム]リボン内の[フォント]パネル内の右下にある をクリックします。

フォント設定(ポップヒント:フォント)
書式設定によるフォント設定

② [ホーム]リボン内の[フォント]パネルでも選択可能です。

フォントパネルによる簡易的なフォント設定

セルの配色

セルの塗りつぶし例
罫線の配色例

① [ホーム]リボン内の[フォント]パネル内の右下にある をクリックします。

フォント設定(ポップヒント:フォント)

② [塗りつぶし]を選択します。ここでセルの背景の設定が出来ます。

書式設定による塗りつぶし設定

③ [ホーム]リボン内の[フォント]パネルでも指定することができます。

フォントパネルによる簡易的な塗りつぶし設定

印刷範囲

まず、印刷したい範囲を選択します(セル、行、列の選択)。 例えば上の例では "A1" から "E12" までを選択します。[ページレイアウト]リボン内の[ページ設定]パネル内の[印刷範囲] - [印刷範囲の設定]をクリックします。

印刷プレビュー

実際に印刷する前に、刷り上がりの確認を取ります。 ファイル タブ - [印刷] で表示されます。

印刷

実際に印刷します。 ファイル タブ - [印刷] で表示されたプレビューを確認した上で、印刷ボタンをクリックします。

実際の表示工夫例

以下は先ほど作った表の印刷プレビューです。印刷範囲は "A1" から "D12" です。表示工夫は何もしていません。

印刷プレビュー

これでも十分ですが、さらに工夫した方が見やすくなります。

① まずタイトルを入れます。

② さらに罫線を引いたり、行や列、文字に色を付けます。

課題 2

上のコンピュータ室会計報告を工夫して、綺麗で見やすいものにしてください。

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