表計算3

関数の利用

前回のいちご狩りシートを用いて、復習していきます。

ROUNDUP関数

ROUNDUP(数値,桁数)

指定した桁数になるように数値を切り上げます。

  1. 各人の料金を出します。 Gの列を選択して、右クリック - [挿入]をクリックします。 "G2" に あまおう(円) と入力します。
  2. 次に "G3" を選択します。 [ホーム]リボン - [編集]タブ - [オートSUM]の[▼] - [その他の関数]をクリックします。 もしくは、[数式]リボン - [関数ライブラリ]タブ - [関数の挿入]をクリックします。
  3. "関数の検索"で"切り上げ"の検索をします。 候補の中から ROUNDUP を選択して、[OK]をクリックします。

    関数の挿入から「ROUNDUP」を選択

  4. 今回は、あまおうの値段が 100単位であるため、数値に C3/100 と入れます。

  5. 次に桁数を 0 を入れます。 ここで指定した桁数より下の位の数字が存在する場合、指定した桁数になるように切り上げされます。 [OK]をクリックします。

    引数の設定

    数値は 0.98 ですが、切り上げになるので、 1 になります。 ここでは、セルの表示形式を "通貨" にしておくと、' ¥ 1 ' と表示され、料金らしくなります。

  6. これだけでは、料金になりません。 続いて、数式バーにカーソルを移して、数式を完成させましょう。 =ROUNDUP(C3/100,0) の後に * と打ち、 "J3" を選択します。 [F4]キーを押して、絶対参照にするのを忘れないでください。 最終的に、 =ROUNDUP(C3/100,0)*$J$3 とします。

    計算式の追加

    これで上杉さんのあまおうの料金が導き出されました。 このようにして、関数は数式の中に入れることもできます。

  7. オートフィルで "G3" から "G12" まで伸ばして、料金を全て求めましょう。 正しくできていれば、このようになります。

    料金計算の結果

  8. これだけでは、あまおうの料金しか求められていません。 時間に余裕があれば、他の品種の料金も求めてみてださい。

切り上げの他にも =ROUNDDOWN(数値,桁数) という切り捨てや =ROUND(数値,桁数) という四捨五入の関数もあります。

ソートとフィルター

Excelにはデータベースとしての機能もあります。 その中の、ソートとフィルターについて説明します。

以下では、統計表 を用いて説明します。 元のデータは、平成27年度の国勢調査です。

注) 国勢調査令(昭和55年政令第98号)の規定に基づき,調査の対象から除外された次の地域の面積を除いて算出した。
  • 歯舞群島(99.94km2)
  • 色丹島(253.33km2),国後島(1498.83km2)及び択捉島(3184.04km2) (属島を含む)
  • 竹島(0.23km2)
また、一部境界未定のため,総務省統計局において推定した。

ソート

ソートは、データの並び替えを行う機能です。

簡易的な並べ替え

並べ替える基準になるセルを選択します。 そして[ホーム]リボン - [編集]タブ - [並び替えとフィルター]をクリックします。 その後、[昇順]もしくは[降順]をクリックして、並び替えを行います。

並び替えとフィルターを選択

並び替えが行われました。

並び替えの結果

文字列以外にも、数値を並び替えることも出来ます。下の例は、"平成22年"を昇順で並び替えたものです。

並び替え

通常の並び替え

さらに複雑な並び替えをする場合、こちらの方法を用います。

まず、[ホーム]リボン - [編集]タブ - [並び替えとフィルター] - [ユーザー設定の並び替え]をクリックします。

ユーザー設定並び替えを選択

すると、以下のようなウィンドウが開きます。

並び替え設定ウィンドウ

ここでは、複数の条件の並べ替えを行うことが出来ます。 [レベルの追加]をクリックして、新たに条件キーを追加してみましょう。

並び替え条件の追加(レベルの追加)

条件キーは上から順番に適用されていきます。 また、[並び替えオプション]をクリックすると、さらにいろいろなオプションを指定することができます。

条件の詳細設定

フィルター

Excelには、フィルターというデータを抽出する機能があります。

オートフィルター

まず、表内の適当なセルを選択後、[ホーム]リボン - [編集]タブ - [並び替えとフィルター] - [フィルター]をクリックしましょう。

フィルターを選択

フィルター状態

このフィルターは[ホーム]リボン - [編集]タブ - [並び替えとフィルター] - [フィルター]を再度押すことで解除することができます。

フィールド名の行の一部が結合されていたり、同じ名前のフィールドがあるとうまくいかないことがあります。

各フィールド名に がつきました。クリックしてみましょう。

フィルター設定メニュー

出てきたメニューで要素を抽出したり、並び替えを行うことが出来ます。 ここでは、試しに[数値フィルター] - [トップテン]をクリックしてみましょう。

「トップテン」を選択

"トップテン オートフィルター"ダイアログが出てきます。 各項目を適切に設定して、[OK]をクリックしましょう。

トップテンの設定

すると、条件にあうレコードのみ表示されます。 これだけでは見にくいので、さらに降順に並び替えをするとよいでしょう。 また、元に戻したいときは、"すべて"をクリックします。 [ホーム]リボン - [編集]タブ - [並び替えとフィルター] - [クリア]でもできます。

フィルターの解除

次に、テキストでの検索を行ってみます。 [テキストフィルター] - [指定の値を含む]をクリックしてみましょう。

「指定の値を含む」を選択

オートフィルター ― オプションの設定

このように、さらに複雑な条件での抽出ができます。 また、?* のワイルドカードも使用できます。

ワイルドカードの利用

上の例では、条件を "を含む" から "と等しい" に変えて、*しま* と入力しました。 これはさきほどのものと全く同じ意味です。[OK]をクリックします。

「しま」が付く都道府県の抽出

すると、県名に "しま" が含まれるもののみ抽出されました。

さらに、条件を表で指定することもできます。 まず、以下の表を適当な場所に作成しましょう。 今回は "K3" と "K4" に入力してみます。

条件式

次に、[データ]リボン - [並び替えとフィルター]タブ - [詳細設定]をクリックします。

並び替えの詳細設定(ポップヒント:詳細設定による複雑な条件指定)

[リスト範囲]は既に正しく選択されていることを確認してください。 [検索条件範囲]に、先ほど作成した表を指定しましょう。

条件式の指定

[抽出先]を[選択範囲内]のままにすると、今まで同様、条件に合わない部分が非表示になった表となります。 [指定した範囲]を選択すると、下の"抽出範囲"がアクティブになります。 これを使うと、条件にあうレコードのみの新しい表が作成されます。 "抽出範囲"には、新たに表を作成したい範囲を指定します。

今回は A60:I60 に表を作成してみます。

条件式によって抽出された表

とても便利な機能です。覚えておきましょう。

この他にも、ピボットテーブルやVBAといったものもあります。興味がある人は調べてみましょう。

基本グラフの作成

前回まではデータを数値のままで扱ってきましたが、今回は、数値からグラフ化することで、より視覚的にわかりやすくするための方法を学びます。 データファイルは、以前作成した人口統計表のデータファイルを使用します。

前回の授業の人口データ

グラフの作成

実際にグラフを作成してみましょう。

  1. まず、グラフを作成したい領域を選択します。
  2. 次に、[挿入]リボン - [グラフ]タブ - [縦棒] - 集合縦棒 を選択します。
    グラフの種類の選択

グラフが作成されました。このまま使ってもあまり支障はありませんが、項目名が見辛くなってしまっているので、変更していきましょう。

グラフデータの初期選択範囲

グラフの初期状態

  1. まず、編集したいグラフをクリックしてアクティブにしておきます。 "グラフツール"がリボンに出てきました。
  2. 次に、"グラフツール" - [デザイン]リボン - [データ]タブ - [データの選択]をクリックします。

    グラフデータの選択(ポップヒント:データの選択)

  3. "データ ソースの選択"ウィンドウが表示されました。

    データソースの選択

  4. 次に、項目名を変えてみましょう。 "人口(単位万人) 男女計" をクリックしてアクティブにしておき、"凡例項目(系列)" - [編集]をクリックします。 "系列の編集"ウィンドウが表示されました。

    系列の編集

  5. "系列名"の =Sheet1!$B$2:$B$3=Sheet1!$B$3 に変更してみましょう。 これで、人口(単位万人) 男女計 となっていたのが 男女計 に直りました。

  6. 同様に"人口(単位万人) 男"と"人口(単位万人) 女"の系列も変更しておきましょう。

  7. 次に、横軸ラベルの範囲を確認します。横軸の編集は"横(項目)軸ラベル" - [編集]をクリックします。

    軸ラベルの編集

  8. "軸ラベルの範囲"が =Sheet1!$A$4:$A$12 となっています。今回は変更する必要がありません。

    軸ラベルの範囲(参照)

    軸ラベル確認後

これで、グラフの設定が一通り終わりました。 また、Excelでは自動的にグラフの設定を行ってくれるので、それに合わせた表作りをすれば、さらに簡単に終わらせることもできます。

どのような表作りが適切なのか、考えてみてもよいでしょう。

グラフの編集

これまでは、データから単純にグラフを作るところまでを扱ってきました。 実際には、さらに見やすくするための加工が必要になってきます。

プリセットの視覚スタイルの利用

Excelにはプリセットで使用できる視覚スタイルが数多く用意されています。

  1. まず、"グラフツール" - [デザイン]リボン - [グラフのスタイル]タブの その他 をクリックします。

    その他のグラフデザイン

  2. 次に、好みの視覚スタイルを選び、クリックしてみてください。 グラフがプリセットの視覚スタイルに変更されます。

    その他のグラフデザイン:詳細

グラフタイトルや軸ラベルの挿入

グラフを見ただけで内容がわかるようにするためには、タイトルや軸ラベルなどの説明が欠かせません。 今回はこれらを追加していきましょう。

  1. まず、グラフタイトルを追加します。 "グラフツール" - [デザイン]リボン - [グラフの要素を追加]タブ - [グラフタイトル]をクリックしてください。 ここでは[グラフの上]を選択しています。

    グラフタイトルの挿入

  2. グラフタイトルが挿入されました。 グラフタイトルをクリックすると、グラフタイトルを編集することができます。

    グラフタイトル挿入例

  3. 次に軸ラベルを入力してみましょう。 "グラフツール" - [デザイン]リボン - [グラフ要素を追加]タブ - [軸ラベル]をクリックしてください。 ここで各軸ラベルを設定できます。

  4. まずは[第1横軸ラベル]をクリックして横軸にラベルを付けます。

    横軸へのラベル挿入

  5. 横軸にラベルが挿入されました。 グラフタイトルと同様にクリックすると、ラベルを編集することができます。

    横軸ラベルの挿入例

  6. 次に[第1縦軸ラベル]をクリックして縦軸にラベルを付けます。

    縦軸へのラベルの挿入

  7. 縦軸にラベルが挿入されました。 こちらも同様にクリックすると、ラベルを編集することができます。

    縦軸ラベルの挿入例

誤差範囲の設定

データには誤差がつきものですが、この誤差範囲もグラフに表示することができます。

  1. まず、"グラフツール" - [デザイン]リボン - [グラフの要素を追加]タブ - [誤差範囲]をクリックします。

    誤差範囲を選択

  2. 後は、適用したい方式の誤差範囲をクリックすると、誤差範囲が表示されます。

    例:標準偏差

グラフの書式設定

グラフの書式は、基本的に"グラフツール" - [書式]リボン - [現在の選択範囲]タブ - [選択対象の書式設定]で変更することができます。

  1. まず、"グラフツール" - [書式]リボン - [現在の選択範囲]タブのプルダウンメニューを、変更したいものに変えます。 (変更したいところをクリックしても変わります。)

    グラフの書式

  2. 次に、"グラフツール" - [書式]リボン - [現在の選択範囲]タブ -[選択対象の書式設定]をクリックします。

    書式設定を選択

  3. "書式設定"メニューには、選択対象に合わせた書式設定の項目が表示されます。

    書式設定メニュー

主な例としては以下のようなものです。

系列のオプション
系列同士の重なりや、要素の間隔、第二軸の使用などが設定できます。
凡例のオプション
凡例の位置などを設定できます。
軸のオプション
目盛間隔や交点の処理、ラベルの位置など、軸に関しての設定ができます。
表示形式
目盛やラベルなどの表示の仕方を設定します。基本的にはセルの表示形式と同じように設定できます。
配置
軸のラベルなどの配置を設定することができます。
縦軸(横軸)誤差範囲
縦軸(横軸)の誤差範囲の表示方式を設定します。
塗りつぶし
選択対象の背景色などを設定することができます。
枠線の色
選択対象の枠線の色を設定します。
枠線のスタイル
選択対象の枠線の線種や角を丸めるなどをすることができます。
選択対象に影をつけることができます。これによって視覚的に背景からうまく分離することが可能です。
3-D 書式
選択対象を三次元的に傾けたり、光源や質感を変更することで視覚的な効果を生むことができます。

これらの書式設定を組み合わせて駆使すれば様々なグラフを作ることができます。 色々なものを試して、より見やすいグラフ作成を目指しましょう。

グラフの完成例

グラフの種類変更

グラフを選択し、[挿入]リボン - [グラフ]タブを用いてグラフの種類を変えます。

グラフの消去

グラフを選択して[Delete]キー、あるいは[ホーム]リボン - [編集]タブの クリア の[すべてクリア]をクリックして消去します。

グラフの種類

Excelで作成できるグラフには、棒グラフ(ヒストグラム)のほかにもさまざまな種類があり、扱うデータによって使い分けることができます。

まず、以下のような表を作成しましょう。 合計数量と合計金額には数式を入力して求めてみましょう。 わからなかったら前回の 数式処理 を見直しましょう。

サンプルデータ

折れ線グラフ

複数の系列のデータを比較するときに便利です。 ここでは、曜日別の売り上げ変化を表しています。

折れ線グラフの場合

円グラフ

全体に対する割合を示すときによく使われます。 ここでは、合計売り上げ金額の割合を表しています。

円グラフの場合

レーダーグラフ

構成要素の偏りなどを見るときに便利な図です。

レーダーグラフの場合

第2数値軸を用いた複合グラフの作成

これまで作成したグラフは、x軸とy軸のスケールが一つずつでしたが、異なる二つのy軸を持つグラフを作ることもできます。

ここでは、降水量と気温のグラフ(雨温図)を作ります。

  1. まず、以下の表を作成します。

    気温と降水量のデータ

  2. 次に、グラフを作成したい領域を選択し、棒グラフを作ります。

  3. 次に、グラフの気温の項目を選択(グラフ内の気温のバーをクリック)し、[挿入]リボン - [グラフ]タブ - [折れ線]の中の任意の折れ線を選びます。

    グラフの種類の選択

  4. さらに、気温の項目を選択したまま、"グラフツール" - [書式]リボン - [現在の選択範囲]タブ - [選択対象の書式設定]をクリックします。

  5. 選択対象 系列"平均気温" を選択します。

    平均気温を選択

  6. [系列のオプション]の中の"使用する軸"を[第2軸]にします。

    第2軸を設定

これで第二数値軸を設定することができました。

第2軸追加状態

グラフが作成されたら、これまでと同じように編集を加えましょう。

グラフの完成例

Excelの表・図のWord文書への貼りつけ(ペースト)

今後レポートを提出する際など、Excelで作成した図や表を、Wordにコピーしたいと思うことが多くなると予想されます。 ここで簡単Excel図、表のコピーとWordへのペーストについて確認しましょう。

表のコピー&ペースト

  1. 図表を貼り付けたいWordファイルを開く、あるいは新規作成します。
  2. Excelを起動し、表を作成します。 罫線も入れ、最終的な形にしておくことが望ましいです。 (ただし、罫線やデータの配置などはWordからも編集できます。)
  3. Excelにて対象表部分をドラッグして選択し、[ホーム]リボン - [クリップボード]タブの コピー を選択します。 あるいはショートカットキー(Windowsであれば[Ctrl]+[C])を利用します。

  4. Wordの画面を表示させます。 挿入したい位置にカーソルを置き、[ホーム]リボン - [クリップボード]タブの をクリックします。 あるいはショートカットキー(Windowsであれば[Ctrl]+[V])を使います。

  5. Excelの表がペーストされました。 必要であれば、貼り付けた際に出てくる をクリックして、貼り付ける形式を変更します。

図のコピー・ペースト

  1. Excelにてグラフ・図を作成します。 図はExcelですべて最後の最後まで仕上げておくのが望ましいです。
  2. 先の表と同じように選択してコピーします。
  3. Wordに移ります。先の表と同様に貼り付けます。
  4. Excelのグラフがペーストされました。 必要であれば、貼り付けた際に出てくる をクリックして、貼り付ける形式を変更します。

なお、外部のExcelファイルとワード内に貼り付けたグラフをリンクさせることもできるので、Excel内の数字を変えて試してみましょう。

上に戻る